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2008年11月

真名井

 森の入り口に少し灰色がかった兎がいて、じっとこちらを見ている。何だろう?と思ってこちらもじっと見ていると、兎は急に森の中に向かって走り出す。

 急いで後をつけていくと、祠の中の水を湛えた井戸の前に出る。いつの間にか兎の姿は消えていて、ここは「ま・な・い」というところだという声だけが響く。

 真名井は海に面した洞窟につながっている。わたしは波の音に巻き込まれるようになりながら、海と空との境界線を探している。

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